前回(W3C Markup Validator + Validator.nu をローカル環境で (1))の続きです。まずは目次を再掲。
- OpenSP をインストールする。
- 必要な Perl Module をインストールする。
- (HTML5 もチェックするのであれば)Validator.nu をインストールする。(今回の内容)
- Validator 本体と DTD ライブラリをダウンロード・解凍して、しかるべき場所に配置する。
- 設定ファイルを編集して、しかるべき場所に配置する。
- Apache の httpd.conf を、Validator が動作するように編集する。
前回は Perl Module のインストールまでで終わりましたので、今回は Validator.nu のインストールに関して。なおこちらは HTML5 なソースをチェックしたい場合にのみ必要になるものなので、まだまだ主流である HTML4.01 や XHTML1.0・1.1 のソースしかチェックしないのであればインストールは特に必要ありません。
逆に「HTML5のソースをチェックしたい」というのが目的だけなら、実はこの Validator.nu 自体が Web サーバの機能も内包しているので、これだけのインストールでもチェックは出来たりしますが…汗 まあとにかく続きからどうぞ。
Validator.nu をインストールする
手順としては3ステップ。
とはいっても手順についてはSummerWind - Validator.nuをローカルで実行するという他サイト様のエントリで詳しく書かれておりますので、そちらも参考にしていただければいいかと。汗 ただし私は MacPorts は利用しておらず、Mercurial のインストールは公式バイナリを使いましたので、そちらの方法の説明。
Mercurial をインストール
Mercurial SCM のダウンロードページから MacOS 10.6 用か 10.5 用のバイナリをダウンロードして解凍。出てきたフォルダの中にあるインストーラパッケージをダブルクリックして実行、あとは普通の MacOS X のインストーラと同じお作法にのっとってボタンをクリックしていけばインストールは完了します。特に難しい事は何もありません。笑
環境変数 JAVA\_HOME を設定
次にターミナルを立ち上げて、次のコマンドを入力します。
$ export JAVA_HOME=/Library/Java/Home
/Library/Java/Home は /Syster/Library/Frameworks/JavaVM.framework/Home のシンボリック・リンク(エイリアス)になっているので、これで大丈夫です。ここでは説明しませんが ~/.bash_profile などに書くのでも問題ありません。
ただし上で書いた方法の場合はターミナルを立ち上げるごとに環境変数を設定し直さないといけないので、このままターミナルを終了せずに次の作業に移ります。
Validator.nu ビルドスクリプトのチェックアウトと実行
まずは Validator.nu を置くディレクトリを作ります。私はアプリケーションフォルダに作ってしまいましたが、個々お好きなところで。
$ cd /Applications
$ mkdir Validator.nu (…でも何でも好きな名前でw)
そして作ったディレクトリ内に移動し、ビルドスクリプトをチェックアウト。んで実行。
$ cd Validator.nu
$ svn co https://whattf.svn.cvsdude.com/build/trunk/ build
$ python build/build.py all
$ python build/build.py all
ちなみに公式サイトにも記述がありますが、ビルドスクリプト1回目は必ずコケる?のは仕様みたいですね…良く読んでないので理由は分かりませんが。汗 なので python build/build.py all
は2回実行しないといけないようです。
以上が無事問題なく終われば、Validator.nu が立ち上がった状態になります。ブラウザを立ち上げて http://localhost:8888/ にアクセスすると http://validator.nu/ と同じ画面が出てくると思います。あとはローカルサイトでもネット上のサイトでも、お好きなようにいくらでもチェックをどうぞw(チェックの方法などはここで説明しなくても大体分かると思いますので省略…)
終了する時はターミナル上で exit とタイプして return キーを押せば終了します。
2回目以降の立ち上げの際は、またターミナルで次のようなコマンドを入力すれば OK です。
$ export JAVA_HOME=/Library/Java/Home (←.bash_profile などで環境変数を設定してない場合)
$ cd /Applications/Validator.nu
$ python build/build.py run
…が、毎回全部入力するのは面倒なので、起動スクリプトを作ってワンアクションで済ませてしまうのがよろしいかと思います。
おまけ: 起動スクリプトを書いて立ち上げを楽にする
テキストエディタで validator.nu.command というファイルを作成して(別にファイル名自体は何でも構いませんが、拡張子は必ず .command で)Validator.nu を置いたディレクトリの一番上の階層に置きます。私の今回の例で言いますと、次のような配置になります。
- /Applications (アプリケーションフォルダ)
- /Validator.nu
- validator.nu.command
- /build
- (その他のディレクトリ)
- /Validator.nu
validator.nu.command の中身です。書き方は色々あるかと思いますが、私はこんな感じのスクリプトを書きました。
#!/bin/bash
# 環境変数を設定
export JAVA_HOME=/Library/Java/Home
# スクリプトファイルのあるディレクトリを取得し $BASE に格納
BASE=`echo $0 | sed -e 's/\/validator.nu.command$//'`
# ベースディレクトリに移動して、ビルドスクリプトを実行
cd $BASE
python build/build.py run
ファイル名を validator.nu.command 以外で作成された場合は、7行目の記述を適切に変更して下さい。あとはファイルの改行コードを LF
にするのを忘れないようにしましょう。
書けたらターミナルなどで実行権限を付与します。
$ cd /Applications/Validator.nu
$ chmod 0755 ./validator.nu.command
あとはこのファイルをダブルクリックして実行すれば、ターミナルが起動して Validator.nu のビルドスクリプトが実行されて立ち上がると思います。このファイルを Dock に置けばワンクリックで実行されます。またログイン項目に設定して起動時に実行するのもいいでしょうし。
では、今回はこの辺で。次回はようやく(汗) W3C Markup Validator 本体の設置に入ります…よ?