こなさんみんばんわ。
これは Jeffrey Francesco Advent Calendar 2024 24 日目の記事ざんす。

シェーーーーーーーーーー!!
ていうかイヤミはおフランス帰りなのに、なんで一人称がミー(英語)なんでしょうねっていう。あっ単に自称だからか。解決した、終了。

さて、今日は世間ではクリスマス・イブらしいんですが、我が家は臨済宗の仏教徒でそんなものはありませんから、今日も明日も関係なくいつもどおり音楽の話をしたいと思います。

そんでもって今日は何の話をしようかと考えたんですが、ふとこんなネタはどうかなーと思いついたのが譜面(楽譜・スコア・リードシート)の電子化に関する話。僕はもう 5 年以上、ライブの譜面をほぼ全部 iPad Pro に入れて音楽活動をしておりますが、その実際に使ってる立場からの率直な感想を知りたいという方も多いことでしょう。知らんけど。

という訳で、まずは使い勝手とかメリットとかその辺のお話を中心に、それから実際に電子化をするにあたってはビューワーを何にするか問題がありますので、それに関しまして現時点で僕が「このあたりがいいんでないの」と思っているものをいくつかご提案してみたいと思います。

最初に、現在の譜面閲覧セットを晒す

現在の譜面閲覧セット。iPad Pro 12.9 インチ(第 3 世代)ビューワーソフトに Piascore

まずは僕が今使ってるセットについて。タブレットは 2019 年に買った AppleiPad Pro 12.9 インチ。第 3 世代モデルですね。ビューワーソフトは現在に至るまでずっと Piascore です…ぶっちゃけこれ以外使ったことないので他との比較は分かりません😅

まずはそもそも、何で電子化しようと思ったのか

これはものすごく単純な話で、そもそも僕がライブ用にもらう譜面がほぼ PDF ファイルだったからですね。PDF でもらったのをいちいち紙に印刷してたんですが、その作業がとても無駄だなぁと思ってました。かさばるし保管場所も取るしね。

重ねて、ある日部屋のプリンターが壊れてしまいまして…まぁでもその頃には紙に印刷するという行為自体ほとんどやらなくなってて、せいぜい年数回のライブ前にもらった譜面を印刷するくらいだったので、その後はネットワークプリントサービス(コンビニ印刷)で済ませてました。

でもその費用もやっぱりちょっと無駄だなぁと思いまして、じゃあまたプリンターを買おうかとも考えたんですが、同じお金を投資するんだったらいっそのことペーパーレス化に舵を切るか! と思いまして、プリンターじゃなくてタブレットを買うことに決めたという訳です。

では、なぜ高額な iPad Pro 12.9 インチを買ったのか

これもものすごく単純な話で、2019 年当時こんな大画面のタブレットは iPad Pro しかなかったからです。いや、もしかすると大画面の Android タブレットが存在してたのかもしれませんが、うちの電子機器周りはほぼ Apple 製品で揃っているので、親和性とかを考えると iPad 以外の選択はなかったです。だから調べてさえいない😅

もちろん、買ってただ譜面ビューワーとしてしか使わなければ本当にただのバカ高い譜面ビューワーになってしまうので😭 今ではそれ以外にも色々と活用しております。ライブ中には譜面を見つつ EON ONE Compact のミキサー機能を調整してますし、あとは Apple Pencil で手書きでイラスト(って昨日のブログの配置図みたいな簡単なやつですよ?)書いたりとかも。

実際に使ってみて感じる、いいところ・悪いところ

では実際に電子化してみてよかったなぁと思えるところ、ここはいまいちだなぁと感じるところを並べてみたいと思いますが、総合的にはほぼメリットしかないです! とにかく便利だし、とにかく楽だし、あとエコ。ダメなところなんてほとんどないんと違いますかね。

よかったところ

譜面を全部ひとつのタブレットに入れておける

譜面の PDF ファイルくらいなら少ない容量で済みますので、今ある現行機種なら最小容量のモデルでも、ほぼすべての手持ちの譜面を入れておけるんじゃないかと思います。バックアップに気をつけないといけないくらいですが、iPad なら iCloud Drive にでも入れておけば気にする必要もないでしょう。

譜面が増えても場所を取らない

上記に関連しますが、全部ファイルの形で持っておけば、紙の譜面のようにどんなに数が増えても部屋のラックのスペースを占拠しません。ファイルもたくさん買わなくてよくなりました。

譜面を探すのが楽になる

紙の譜面だと以前やった曲を何年か後にまたライブでやるとなった時に、あれこの曲の譜面どこに入れておいたっけな…ってなることが多々ありましたが、全部タブレットに入ってるならソフトの検索機能を使って探せばいいだけです。会場で突然あの曲やるよ! ってなった時にも対応できますね、弾けるかどうかは別にして😭

セットリストが作れる

で、ライブでやる曲を検索したら、セットリストとして曲順ごとに並べておくことができます。ライブ中はそれを順送りでめくればいいだけ。あとリハーサル中にやっぱり曲順変えよう! ってなった時にもアプリ上で並べ替えればいいだけなので、紙の譜面のようにクリアファイルから一度取り出して差し替えて…みたいな作業は必要ありません。これはめっちゃ楽ですよ。

置き場所がフレキシブルになる

紙の譜面だと譜面台が必要ですが、タブレットだとタブレットホルダーを使ってマイクスタンドなどにも取り付けができるので、足下がベースペダルやボリュームペダルなどで渋滞しがちなオルガン奏者にはとてもメリットがあります。狭い会場では特に有効ですね。

ちなみに 👇 僕が使ってるタブレットホルダーはこれです。

荷物がシンプルになる

どんなライブに行く時でも、とりあえず譜面に関しては決まったタブレットをひとつ持っていくだけなので、あれ、今日のライブでやる曲はどのファイルに入れてたっけ…とか考える必要がなくなりました。

紙が必要でなくなる

例えば毎回自宅のプリンターで印刷するなら、そのためにコピー用紙をストックしておく必要がありましたが、これがまた場所取るんですよね😅 その必要がなくなりますし、何より紙を消費しません。エコですね(適当


…ほらね、圧倒的じゃないですか🤣

でも、もちろんダメというかこれは困るっていうことも、ないことはないと思います。ちょっと考えてみました。

よくないところ

その場でちょっとコピーとかできない

例えばこの曲の譜面だけ忘れた! タブレットなんて使ってません! って人がいた時に「ほい」とか手渡してそこにあるコピー機でコピーしてもらう、というのはできませんから、それで困る場合もあるかもしれません。

でも、もしその会場にコピー機がなくてどっちみちコンビニに走らないといけないんであれば、ネットプリントのサービスにファイルを投げてそれをプリントするのでも一緒ですから、そこまで困ることもないような気がします。

紙の譜面を持ってこられた時にあああ…ってなる

セッションで持ってこられた譜面が紙とか、今度この曲やるのでよろしく! って紙の譜面を持ってこられた時にちょっと困る、というのはありますかね。そのまま紙で見るんだったらタブレットホルダー以外に譜面台も必要になるし、電子化するんだったらスキャンする手間がかかりますので、どっちにしようかってなるにはなると思いますし。

まぁ最近はノートアプリを使えば iPhone カメラで PDF 化できるようになったんで、これも今ではそれほど困ることはないような気がします。

当然ながら、数枚の紙よりはちょっと重たい

ちょっとしたイベントで 5 曲くらいしか演奏しないとかであれば、当然ながら紙の譜面数枚の方がタブレットよりは圧倒的に軽いです。まぁ相手は鉄の塊ですからね、仕方がないです。


以上、実際に電子化して以降に困る(場合があるかもな)ことって、実はこれくらいじゃないでしょうか。これだって今まで 5 年間使ってきた中で遭遇したのは 2 番目のが 1 回くらいじゃないかな。

よく言われるデメリットとしては「タブレットを買わないといけないので初期費用がかかる」というのがありますが、それは電子化を検討する段階の話であって、導入した後の話じゃないですからね。ここまでの話とはちょっと違う部分の話になるかと思います。

とりあえず、ここまでの結論

そんな訳で、このように電子化することで得られるメリットの方が、デメリットよりは圧倒的に多いんじゃないかなと思っております。タブレットの購入費用さえ工面できるのであれば、さっさと移行してしまった方がより便利で幸せな音楽ライフが過ごせるのではないでしょうか。

本題: じゃあ電子化するとして、タブレットはどれ買えばいいの?

譜面の電子化には多くのメリットがあるということは分かっていただけたかと思いますので、ここからはいざ電子化するとなった時に考慮するべきことを挙げていこうと思います。まぁ主にタブレットをどうするか? という話ですね。

譜面ビューワーとしてのタブレット( & ビューワーソフト)に求められること

画面の大きさはとにかく! できる限り! 大きく!!

同じ PDF ファイルを表示しても、画面が 13 インチのタブレットと 10 インチのそれでは当然表示される大きさがまったく違うのは想像がつくと思うんですね。で、これに関してはお金をケチって小さい画面のものを買っても絶対にあとで後悔するだけだと思います。

例えば僕は iPad Pro をランドスケープ(横向き)にして見開き 2 ページで譜面を表示することが多いですが、この使い方だと 12.9 インチで若干の拡大を入れて、ギリギリ見られないこともないくらいです。老眼ありでそんな感じなので、若年層はもう少し小さくても大丈夫かもしれませんが、それでも大きいに越したことないのは間違いないですね。まぁここは 13 インチ以上を選択しておけば間違いないでしょう。

スタイラスペンを使ってマーカーなどの書き込みができる

えーと…まぁこれはほとんどのタブレットで使える機能なので、気にする必要はまずないです😅 どちらかというとビューワーソフト側の機能に関する話ですね。使いたいソフトでどのようなことができるかをちゃんと調べて決めるようにしましょう。

Bluetooth 接続のペダルによる譜めくりに対応している

…これもタブレットそのものはほぼ対応してて当たり前なのでソフト側の話ですが😅 使えると譜めくりが足でできて便利なのは間違いないので、使えるとしたらどのペダルが使えるのかは調べておくといいと思います。

ちなみに僕はほぼリードシートみたいな 2 ページくらいの譜面しか見ないので、こういったペダルは持ってないです。

とりあえずはこんなところでしょうか。

以上を踏まえて、今買うべきタブレットはこれ!

ということで、以上の考慮事項を踏まえたところで、今この時点(2024 年 12 月 24 日)で買うべき譜面ビューワーとしてのタブレットはこれや! というのを提案してみたいと思います。

いちおう色々なパターンを考慮して 3 つピックアップしておりますが、一番最初のが総合的に見て No.1 のおすすめ、あとの 2 つはこういう選択肢もありかなーという程度の提案なので、そういう感じで見ていただければと思います。

現時点での最適解 — Apple iPad Air 13 インチ

iPad Air の Web ページ スクリーンショット

はい、色々なことを考えると、現時点での最適解はこれになりますね。とりあえず譜面ビューワーを中心に考えるのであれば、Air に 13 インチがあるのにあえて iPad Pro を選択する必要性は特にないかと思います。

容量は 128GB あれば問題ないかと思いますので、これに Apple Pencil Pro を付けても金額は約 15 万。iPad Pro 13 インチだと最安モデルで約 24 万ですから 9 万円も安いです。もちろん他のタブレットに比べれば高額な訳ですが、譜面ビューワー以外の用途にも使えると考えれば、適正な値段じゃないかと思いますね。

という訳で現実的にはこれ一択なのですが、ちょっと用途をもう少し絞った上で少しお手ごろなものを考えてみたのが次のやつ。

とりあえず譜面を電子化したいだけなら — QUADERNO A4 (Gen.3C)

Quaderno の Web ページ スクリーンショット

こちらはタブレットというか、ペンでメモを取ったり PDF に書き込みもできる電子ペーパー端末ですね。富士通が出しています。Gen.2 まではモノクロでしたが、Gen.3 からカラーになりました。お値段は A4 サイズモデルで 79,800 円と、iPad Air の半分くらいです。しかもスタイラスペン付き

公式が音楽演奏にも使えますよと謳ってるとおり、Bluetooth ペダルで譜めくりができたり 2 ページ見開き表示ができるなどの機能がついてます。サイズも iPad Air 13 インチよりひと回りくらい大きいのですが、その分ベゼルにも幅があるので表示面積にも差があるかどうかは分かりません。

で、とりあえず電子化した譜面を見るだけならこれでも十分可能なのですが、セットリストを作るような機能がありません。なので、家でちょっと楽器を弾いて楽しむような使い方をするには十分かもしれませんが、外で頻繁にライブをやるようなミュージシャンの方には向いてないんじゃないかなぁ…というのが僕の印象ですね。

とはいえ、今後そういったソフトウェアのアップデートがないとも限りません(実際アップデートで機能が追加された例もある)ので、気になる方は定期的にチェックをして、機能の追加状況を調べておくといいかもしれませんね。

あと、このクアデルノは僕が自分で使って試した訳ではないので、実際の使い勝手などは分かりません…購入される場合は使った人のご意見を読んだうえで、ご自身の判断でご購入ください

色々パワフルな用途にも使いつつ譜面ビューワーとしても使うなら — iPad Pro 13 インチ(も、ありかも)

iPad Pro の Web ページ スクリーンショット

あえて iPad Pro を選択する必要性は特にないとか書いておきながらこれを出す訳ですが、あれはあくまでも譜面ビューワーを中心に考えた場合の話。そうじゃなくて iPad Pro の M4 チップの能力を活かした作業(動画編集などを)を中心に据えてバリバリ使いつつ、ライブの時には譜面ビューワーとしても使いたいというのであれば、当然こういう選択肢もありといえばありです。

なんですが、今や iPad Air も M2 チップですから、大抵の作業はストレスなくこなせますよね…そこまでして iPad Pro じゃないとダメという用途もそんなにないと思いますから、そこは注意深く判断する必要があるとは思います。いずれにせよ万人にはお勧めしがたい選択肢です😅 ということでこれも自己責任でどうぞ。

はい、以上が現時点での結論です。Dive into Digital Score!

そんな訳で

本日は譜面の電子化について、僕が実際に使用している中で感じているメリットや、実際に譜面を電子化する上で導入すべき機材(タブレット)の条件などの説明、現時点でのおすすめタブレットのご提案などをしてみました。

自分でも書いててめちゃくちゃ長くなったなぁと感じている訳ですが、これ全部読む方いるんですかね…もうちょっとシンプルにまとめ直した方がいいんと違うか? とは思ったものの、ここまで書いて作り直すのもアレなので、もうこのまま公開してしまいます😅

という訳で、最後までお読みいただいた方ありがとうございました。我が家にそんなものはないけどいちおう書いておきますよ。
Merry Christmas!